その4<損益分岐点比率と安全余裕率>

損益分岐点比率 >

 損益分岐点比率とは、売上高に対する損益分岐点売上高の比率、

 すなわち、実際売上高に損益分岐点売上高が占める割合をいいます。

  

損益分岐点比率(%)= 損益分岐点売上高 / 実際売上高 × 100

損益分岐点比率の高低により、その企業の収益獲得面での安全度が分かります。

 

 仮に、当期の損益分岐点比率が85%なら、実際売上高が15%減少したとき

 利益は0となります。

 損益分岐点が低ければ低いほど、企業の売上安全性が高く、企業は少ない

 売上高で利益を獲得できることを意味します。

 つまり、損益分岐点比率が低いということは、その企業が売上高の減少リスク

 に強いといえます。

 先ほどの損益分岐点比率85%の企業で考えると損失となるまでの余裕が

 15%ほどあることとなります。

 

 

< 安全余裕率 >

 安全余裕率とは、損益分岐点売上高を実際売上高がどの程度上回っているのか

 を表す比率をいいます。

 

安全余裕率(%)=(実際売上高-損益分岐点売上高)/ 実際売上高 × 100

          = 1 - 損益分岐点比率

 

 先ほどの、損益分岐点比率の例で考えれば、

 損益分岐点比率85%の企業は、利益ゼロまで、売上高の15%程度余裕があります。

 この15%の余裕をを安全余裕率といいます。

 これは、経営安全率ともよばれ、収益面での安全性を判断する際の比率となります。

 安全余裕率が高ければ、売上高が減少しても損失を発生する可能性が低くなるため

 安全余裕率が高いことが望ましいといえます。

 

 

安全余裕率を向上させる対策 >

 したがって、企業は、安全余裕率を高めるための方策を考える必要があります。

 簡単にいえば、売上高の増大か損益分岐点の引き下げのいずれか

 または、その両方を狙うこととなります。

  

   1)売上数量の増大 :  販売数量を増大させることができれば売上が増大し、

                   安全余裕率は高まります。

   

   2)販売単価の引上げ:  販売単価の引上げは、営業量の変動がなくても

                   売上高が増大し、安全余裕率が高まります。

                   損益分岐点の引下げにもなります。

   

   3)変動費の削減   : 変動費を削減できれば、損益分岐点が下がり

                  安全余裕率は高まります。

   

   4)固定費の削減   : 固定費を削減できれば、損益分岐点が下がり

                  安全余裕率は高まります。

   

 

                                (文責 田中正彦)

 

 

 

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