損益分岐点比率とは、売上高に対する損益分岐点売上高の比率、
すなわち、実際売上高に損益分岐点売上高が占める割合をいいます。
損益分岐点比率(%)= 損益分岐点売上高 / 実際売上高 × 100 |
損益分岐点比率の高低により、その企業の収益獲得面での安全度が分かります。
仮に、当期の損益分岐点比率が85%なら、実際売上高が15%減少したとき
利益は0となります。
損益分岐点が低ければ低いほど、企業の売上安全性が高く、企業は少ない
売上高で利益を獲得できることを意味します。
つまり、損益分岐点比率が低いということは、その企業が売上高の減少リスク
に強いといえます。
先ほどの損益分岐点比率85%の企業で考えると損失となるまでの余裕が
15%ほどあることとなります。
< 安全余裕率 >
安全余裕率とは、損益分岐点売上高を実際売上高がどの程度上回っているのか
を表す比率をいいます。
安全余裕率(%)=(実際売上高-損益分岐点売上高)/ 実際売上高 × 100 = 1 - 損益分岐点比率 |
先ほどの、損益分岐点比率の例で考えれば、
損益分岐点比率85%の企業は、利益ゼロまで、売上高の15%程度余裕があります。
この15%の余裕をを安全余裕率といいます。
これは、経営安全率ともよばれ、収益面での安全性を判断する際の比率となります。
安全余裕率が高ければ、売上高が減少しても損失を発生する可能性が低くなるため
安全余裕率が高いことが望ましいといえます。
< 安全余裕率を向上させる対策 >
したがって、企業は、安全余裕率を高めるための方策を考える必要があります。
簡単にいえば、売上高の増大か損益分岐点の引き下げのいずれか
または、その両方を狙うこととなります。
1)売上数量の増大 : 販売数量を増大させることができれば売上が増大し、
安全余裕率は高まります。
2)販売単価の引上げ: 販売単価の引上げは、営業量の変動がなくても
売上高が増大し、安全余裕率が高まります。
損益分岐点の引下げにもなります。
3)変動費の削減 : 変動費を削減できれば、損益分岐点が下がり
安全余裕率は高まります。
4)固定費の削減 : 固定費を削減できれば、損益分岐点が下がり
安全余裕率は高まります。
(文責 田中正彦)
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